食べること生きること

めざせ! 実年齢より若いカラダ 老化を防ぐ「抗酸化」入門 体の「サビ」を、食生活で磨く!~【04】アドバイス

米井嘉一先生からのアドバイス 健康的な老化にはバランスが大切。自分の弱点を知って、そこを上手にカバーする。

長寿のヒケツは、全体のバランスです

米井先生は「老化の速度は、弱点を改善すれば変えられる」と言います。「ひと口に老化といっても、そこにはさまざまな要素があります。体には筋肉、骨、血管、神経、ホルモンなどの構成要素があり、人によってどこが弱いかはさまざまです。どこかに弱い部分があれば、そこからほころびが大きくなって、最後には病気になったりします。バランスよく老化することが、大切なのです」

実際、100歳以上の長寿の方を調査すると、老化のバランスが抜群にいいのだそうです。
長寿の方は老化のスピードが特別に遅いわけではなく、体全体がバランスよく老化しているため弱点が少なく、何かが大きな問題になることが少ないのです。反対に他の部分がとても健康でも、どこか1カ所に弱点があれば、その弱点が健康な部分まで足を引っ張って、老化を促進してしまうのです。

今日から始める抗酸化生活のススメ

「老化の弱点は、人によって違います。ですから、まず自分の弱点を知り、そこを補えば老化を防ぐことができます」と米井先生。「筋肉、骨、血管、神経、ホルモンといった体の構成要素以外にも、酸化をはじめ、免疫機能、代謝機能、生活習慣、心身ストレスなど、老化に関わる危険因子がいろいろあります。これらの危険因子のうち、どこに自分の弱点があるかを知り、弱いところを補い、悪いところは正すようにすると、老化の速度はずいぶん遅くなるはずです」

抗酸化をはじめとした老化の予防は、早く始めれば始めるほど、効果があります。加えて、長く続けることが大切なので、気になることがある人は、ぜひ今日から始めてください。

からだの構成要素からみた老化 バランスが悪いと老化が速い バランスが良いからゆっくり老化

監修 同志社大学院 生命医科学研究科 アンチエイジングリサーチセンター教授 米井 嘉一さん

1958年、東京生まれ。慶応義塾大学医学部卒業。日本鋼管病院内科医長・人間ドック脳 ドック室部長を経て現職。日本抗加齢医学会の設立に尽力し、理事を務める。米国抗加齢 医学会の認定医であり、世界アンチエイジング医学会のメンバーとして海外の情報にも詳 しい。著書に「いつも元気な人の100の習慣」(KKベストセラーズ)、「美しさ」と「若さ」を保つアンチエイジングのすすめ(青春出版社)などがある。