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鰹は、昔から日本料理になじみ深い魚。刺身、たたき、角煮といった食べ方だけでなく、干した身を削った“削り節”は、ダシを大切にする私たち日本人にとって、欠かすことのできない味といえます。なかでも5月に水揚げされる初鰹は、その味のよさと、勇壮で美しい姿が買われて、昔から珍重されてきました。それでは、日本人にこよなく愛されている鰹の魅力をちょっと探ってみることにしましょう。
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初鰹といえば、真っ先に思いつくのが「目には青葉 山ほととぎす 初鰹」という名句。新緑の頃の情景が生き生きと描かれたこの句は、江戸時代の俳人・山口素堂(やまぐちそどう)によるものです。これ以外にも、初鰹をうたった句には、さまざまなものがあります。そのひとつが、「目と耳は 只(ただ)だが 口は銭(ぜに)がいり」というもの。これは、素堂の名句を下敷きにしたもので、「初夏の楽しみのうち、目で見る青葉と耳で聞くほととぎすの声はタダだが、口で食べる初鰹だけはお金がかかる」という意味。江戸時代、江戸っ子たちはことのほか初鰹を珍重し、驚くほどの高値で取引されていたといいます。このほかにも、「初鰹 薬のやうに 盛りさばき」(訳:高価な初鰹は、薬のように少しずつ盛って売られている)や「葬礼を 見て初かつを 値(ね)ができる」(訳:人間はいつ死ぬかわからないから、高値でも生きているうちに初鰹を買ってしまおう)など、初鰹にまつわる作品は、実に多彩でユニーク。これらの句を見ていると、いかに初鰹が尊ばれ、愛されていたかが伝わってきます。
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鰹には、ナイアシンというビタミンB群がたっぷり含まれています。このナイアシン、実は二日酔いや悪酔いを防ぐ働きがあるのです。ですから、酒の肴に鰹を食べるのは、とても理にかなったことといえます。そのほかにも、鰹には骨を強くするカルシウムや骨粗しょう症を防ぐビタミンD、ホルモンの生成にかかわる良質のタンパク質などが含まれていて、栄養の宝庫と呼ぶにふさわしい魚なのです。とくに血合いの部分には、健康増進に役立つビタミンBやナイアシン、鉄、タウリンがたっぷり。その成分と量は、レバーに匹敵するといわれています。初鰹の買い方としては、切り身の場合、血合い部分がはっきりしているものが新鮮な証拠。一匹まるごと買う場合には、エラが赤く、腹がかたく張っていて、縞がくっきりしているものを選ぶとよいでしょう。
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初鰹は、やはり鮮度をいかした“たたき”でいただきたいものです。しかも、鰹とネギやニンニク、シソ、ショウガ、ミョウガは、相性がぴったり。いっしょに食べることで、食欲増進や体力アップ、老化防止に効果があるといわれています。ですから、たたきにするときは、薬味をたっぷり添えることをオススメします。では、簡単なたたきのつくり方を紹介しましょう。
1 鰹の身(皮つき)に串を打ち、皮側から 強火であぶる。皮側はやや長めに火を入れ、身側は白くなる程度でOK。(ブロック状になったものがスーパーでも手軽に手に入ります) 2 薄く焦げ目がついたら、氷水にとって冷まし、水気をきれいに拭き取る。
3 まな板にとって軽く塩をふり、厚さ1cm程度に切る。
4 ショウガやネギ、シソ、ミョウガ、ニンニクなどの薬味と
いっしょに盛って、できあがり。
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